買い物をするとき、お店での接客や病院でさえ『ハーフの方ですか?』と尋ねられることが時々あります。
私自身確かにハーフではあるのですが、それでもいい年した大人なのに今さらまだ尋ねられることに『なぜ聞いてくるのかなー』といつも感じています。
思い起こせば10代の頃はそう言った言葉も含めハーフであることで葛藤し少し悩み、気にしていた時期がありました。なぜこうも尋ね聞いてくるのか、私自身も気になり過去を振り返り書きまとめました。経験を交え、(ハーフで)若い時から大人になったの時に感じる得すること、大変だと思うこと、葛藤を乗り越えるちょっとしたアイデアをまとめました。
ところで「ハーフ」という言葉の使い方は日本固有で、英語圏では「part(パート)」や「mixed(ミックス)」といったん単語を使うようです。
日本においては昨今、よく集中して聞いているとTVやその他公式の場でもよく使われている言葉は「mixed(ミックス)」が多くなってきた感じがします。
ハーフの子の中には、この「ハーフ」という言葉に抵抗を感じる方もいるようです。その背景に、「half(ハーフ)」という英語に「半分」という意味があり、人を呼称するときに半分という意味のハーフと呼びかけるのはどうなのかという疑義があるようです。
目次
ハーフの顔の特徴
目の色(虹彩)
日本人には見られない虹彩の色の違いが、遺伝によってその特徴がみられるではないでしょうか。
遺伝と虹彩の変化の関係は複雑ですがなかなか面白いです。
例えば、青色の目を持った外国人の母親と茶色の目を持った日本人の父親によって授かった子供の目は、茶色になる可能性が高いそうです。
これは顕性(優性)遺伝子と潜性(劣性)遺伝子の優劣関係により決定されます。青色の目は潜性(劣性)遺伝子であり、一方茶色の目は顕性(優性)遺伝子とあるといわれ、このことから顕性(優性)遺伝子である茶色の目が子供の目に出やすいといわれています。
髪の色
髪の色についても遺伝の法則が働くといわれています。
例えば母方が金髪で父方が黒色の場合、金髪は潜性(劣性)遺伝子側で黒色が顕性(優性)遺伝子となっているそうです。
この場合、黒と金の中間の色、おおむねブラウン系統を取るのが多いようです。
鼻の高さ・鼻の穴の広さ
鼻の高さについては、鼻が高いという形質の方が鼻が低いという形質より遺伝的に現れやすいようです。
また鼻の穴の広さについては、鼻の穴が広いという形質の方が鼻の穴が狭いという形質より現れやすいようです。
鼻の穴が広い人種が多く住む地球規模でみるその地域は、温暖多湿気候にその特徴よく見らるようです。一方で鼻の穴が狭い人種が多く住む人種は、寒冷乾燥気候にその特徴よく見らるようです。
鼻には空気の温度を調整する機能があり、寒いまたは暑い気候に何世代も住んでいる人種は鼻の穴の広さに特徴が現れるようです。
質問する側の心理、される側の感想
日本人からハーフの子に対する、『あなたはもしかしてハーフの方ですか?』『どこの国の方ですか?』という質問の意図は、純粋に気になる、興味本位なんだろうと思います。
相手との距離を簡単に詰めらるコミュニケーションの糸口と無意識に考えているのではないかととらえています。
ハーフの子に対してこの手の質問をされたとき、『いきなり何!?またこの質問』と考えているハーフの子が多いと思います。
なれていて気にせずいつも通りに答える人もいれば、聞いてほしくない・うんざりだと思っている人もいるかと思います。
なれていて気にしない人は、もしかすると社交的であったり深く考えないようしているのかもしれません。
一方で後者の視点に立ってその背景を考えてみたとき、単純に毎度の質問にうんざりしていたり、ハーフとしての生き辛さ・複雑な事情により嫌に感じていることもあるかもしれません。
仲良くなりたい・友達になりたいというのであれば、聞かれるほうもまだ許容できるのかもしれません。
ただ恐らく一回限りであろう出会いのシチュエーションでこの質問は、その人物に対し怪訝な面持ちを持たれるように思います。
ハーフであることに得すること、大変だと思われること
ハーフとして生活する中で、得すること、大変だと思われることを紹介したいと思います。
得すること
バイリンガルになりやすい!?
国際結婚によって生まれた子供は、双方の国の文化や言語に触れるチャンスは普通よりは多いかと思います。このことから多言語に触れるチャンスも、両親が普段から両方使っていれば少しは覚えていくかと思います。
ただし、みんながみんなそうとは言えません。10代のころは多感で、ハーフでいることにその感情がポジティブにもネガティブにも傾くと思います。
海外旅行に行くチャンスがある!?
おじいちゃん・おばあちゃん・親戚が海外にもいるということから、家族で会いに行くチャンスがあるというわけです。
特に10代の頃は、おじいちゃん・おばあちゃん・親戚は孫・姪・甥に会いたいわけですから、歓待されます。
目立ちやすい!?
良くも悪くも目立ちます。もちろん意外と分からない、バレないという人もいるかもしれません。
ポジティブで活発な子はハーフであることを武器に人に覚えられやすいかもしれませんね。
逆に普通でありたい、引っ込み思案の方は悩ましく思ってるかもしれません。
大変だと思われること
言語・文化の壁
日本にいるハーフの子供は、必ずしも日本生まれとは限りません。帰国子女の可能性もありますし、外国で生まれ日本に来た可能性もあります。そような場合、子供にとって最初に壁となるのが言語と文化の壁ではないでしょうか。
偏見を感じたり、イジリ・からかいの対象になるケースも
「ハーフ」であるが故のイジリ・イジメのようなものを受けたことがある人もいるかもしれません。
10代の頃だと、名前のカタカナの部分(ミドルネームやセカンドネーム)のイジリであったり、日本人とは少し異なる容姿であるが故にからかわれたりするケースもあります。
ただ時代の移り変わりとともに、こうしたことも無くなっていると信じたいです。
価値観や文化に対するバランスのとり方
子供の頃、両親の国のそれぞれの文化や習慣、言語に触れることでアイデンティティの在りどころをどこに置くか悩むこともあるのではないでしょうか。
外では日本語なのに、家の中では家族が外国語で会話する場合もあります。私自身がこれで、10代の頃の私は得も言えないような嫌な感覚がありました。言葉の意味は何となく理解できても、日本人としてのアイデンティティが強いため抵抗感がありました。
また帰国子女のハーフ(またはハーフでなく帰国子女の日本人の場合)であっても、今までの文化や習慣の違いに戸惑い慣れるのに時間がかかる場合もあります。
これらは一例でしかありませんが、目では見えないところで他にもたくさんの原因でフラストレーションや葛藤もあると思います。
国際結婚をした親の老後または倒れてしまった時のサポート
親の老後や健康問題について子供側がいろいろ思案することはどこでもあることだと思います。ただ国際結婚した場合については、少し想定外のことがあるかもしれません。
子供側が気にしておいたほうがよいことは何かというと、外国籍を持った親の日本語の習熟度や活用できる制度・サポートなどについての理解についてです。
今まで夫婦二人三脚で困難を乗り越えていたことが、片方の親が万が一倒れてしまった場合、外国籍側のパートナーが支えられるかということです。
滞在国の言語(日本語など)習熟度や 活用できる制度・サポート についての理解度によって、
”その時”のスピード対応やケアの深度、その他いろいろ変わってくるかもしれません。
そこで子供側も、”その時”に親のサポート・対応を直ぐにできるかということです。国際結婚における老後・万が一倒れた時の問題については、どうすべきか念頭に置いておくべきことかと思います。
ハーフであることに葛藤を感じた時に勧めるちょっとしたアイデア
ハーフの生き辛さを感じるのは自分の軸・進路を見つけるまで付いてまわる問題なのではないかと考えています。もちろん全てのハーフの子がその限りではありません。
このハーフ固有の問題・悩みについては、みんな同じようなところで悩んだりしているようです。ここで、この悩みを打破するちょっとしたアイデアを紹介します。
アイデア その1
若いうちに海外に旅行やワーキング・ホリデーに行ってみると良いかもしれません。
海外に行くと大体みんな同じ外国人として受け入れられます。そこでは「ハーフ」というレッテルのようなものが剥がされます。
ワーキング・ホリデーで行った場合には、比較的同年代の子とも会う機会も増え大きな刺激を受けるのではないでしょうか。
海外旅行やワーキング・ホリデーには人生の節目・ターニングポイントになりうる経験をたくさん詰めるチャンスがあります。
もし本当に行く計画を立てるのであれば、何を得たいか・どうなりたいかを少しでも考えておくとよいかと思います。
アイデア その2
夢中になれるものを見つけることです。これは何もハーフの人に限った話ではありませんが、日々の生活・仕事で苦しいことが続くことがあったとしても、その他の時間で心底夢中になれる何か・趣味などに取り組むことで一筋の光・希望を見出せるかもしれません。
アイデア その3
理解のある仲間・友人を作るです。ハーフ仲間や外国人、海外に興味がある人・行ったことある人と知り合えるとかなり気が合うことが多いかと思います。
そのためにネットで探してみたり、何らかのコミュニティ・交流会に参加するのもよいと思います。
コミュニティにもよるかと思いますが年齢層は学生さんや留学したい人、したことある人など比較的若い方が多いのではないでしょうか。
最後に
ハーフの方にとって特に若いときは、小さな嫌な事が積み重なって大変のように感じるかもしれません。
ただやりたいことや自分の軸が見つかると、気にならなくなって来るかなと考えています。
ハーフであることは多様なルーツをバックボーンに持っていることから、文化や価値観を多角的に、客観的に見ることができるという強みもあるかなと考えています。
そこから、たくさん行動を起こしてユニークな経験やスキルを積んでいくことができれば、ハーフであることも武器にでき活躍のチャンスも増えるんじゃないかと思います。
・ハーフ固有の悩みを抱えている人
・ハーフの子が生活の中でどう感じているのか知っておきたいという人
・国際結婚をひそかに思案している人